
亀岡市
編笠の草団子
亀岡で昔から親しまれるだんご
「編笠の草団子」は、円形にした団子を二つに折り、編笠の形に見立てて網目をつけ、中にあんこを包んだもの。亀岡では「だんご」といえばこの形が一般的で、祝い事や法事、祭りのときなど、人が集まる際に食べられて親しまれた。表面に木型を押し当てて模様をつける独特なもので、家ごとに編笠や碁盤、鹿の子など様々な模様の木型が代々受け継がれてきた。古くは江戸時代からあったとされ、京都の農家に伝わる独自の食文化で、亀岡では涅槃会や桃の節句、鍬山神社で行われる八ヶ日祭などで欠かせないものとされる。
鍬山神社は通称として「矢田社」や「矢田宮」とも呼ばれ、飛鳥時代に創建されたという古社。太古の昔は湖であったという亀岡盆地を祭神の大己貴命(大国主命)が開拓し、人々が住める肥沃な土地を造ったと伝えられており、その際に使った鍬を山のように積みあげたという伝説に基づく。境内には本殿に並んで八幡宮が建てられ、両宮とも社殿は京都府の登録文化財に登録されている。八ヶ日祭は鍬山神社で行われる八幡宮の大祭。宮山に誉田大神が天下った日とされる5 月8 日に行われ、編笠の草団子も供されて祭りに花を添える。