
綾部市
京丹波町
南丹市
鮎
初夏を代表する清流の味覚
鮎は東アジア一帯に分布する、川と海を回遊する魚。日本では代表的な川魚とされる。
「香魚」とも書かれるように天然の鮎は独特のよい香りがする。昔は各地の河川で天然のものが獲れていたが、ダムの建設や乱開発など環境の悪化により、減少の一途をたどった。天然の鮎は高級なものとなり、これを補う形で養殖が行われるようになり、毎年多くの河川に稚魚が放流されている。資源保護のため11月から5月ぐらいまで禁漁となっているところが多く、禁漁あけの初夏から夏にかけてが旬で、特に7月ぐらいの若鮎が骨もやわらかくて美味であるとされる。出まわる時期が限られていることから夏の風物詩とされ、京都では朝廷への献上品として珍重されてきた。
「やな漁」は産卵のために川をくだる魚の習性を利用し、川の中に梁(やな)と呼ばれる仕掛けを設置して、上流から泳いできた魚がかかるのを待つ伝統漁法で、かつて鮎を獲るのに行われてきた。京都府北部を流れる由良川では、やな漁を再現したイベント「あやべ山家観光やな漁」を開催。毎年9月の期間中は、特設の囲炉裏を囲んで鮎の塩焼きや鮎ごはんを味わうことができ、清流の豊かなめぐみが体験できるイベントとして人気を博している。