移住者インタビュー

やりたいを叶える亀岡移住:
人との絆と安心感が挑戦を後押し

やりたいを叶える亀岡移住:人との絆と安心感が挑戦を後押し

今回は京都市から亀岡市に移住された小澤亜梨子さんにお話を伺いました。都会から自宅アトリエヘ。デザイナーとしての新たなキャリアや暮らしを求めて亀岡へ移住した小澤さん。亀岡への移住に至った動機や理想の暮らし、心地よい人との関係性について語っていただきました。

小澤 亜梨子さん

1991年、京都府八幡市生まれ。作家・イラストレーター・グラフィックデザイナー。2017年から2021年にかけて、放課後等デイサービスのアートプログラムの講師や、就労継続支援B型事業においてのパッケージデザインなどに携わり経験を積む。2020年よりステンシル技法で描いた絵を発表し始めたことを機に、イラストレーターとしての仕事を本格的にスタート。2022年7月から亀岡に住み始め、週末は自宅の一部を「3じのアトリエ」としてまちに開く試みをしている。

 

自然も人と人の関係性もちょうど良い距離感

亀岡市に移住されてアトリエをはじめられたきっかけは?

小澤さん:前職で勤めていた京都市内の福祉施設を退職するとなったときに、転職ではなくフリーランスのデザイナーとして活動しながら、自宅に拠点を構えてアトリエ活動に取り組んでいきたいと考えたことがきっかけです。

様々な選択肢があったと思うのですが、なぜ亀岡を選ばれたのですか?

小澤さん:大きく2つあります。一つ目は、亀岡で希望の条件にマッチする物件に巡り合えたことです。アトリエ利用ができかつオシャレな物件を探していたのですが、京都市内で気になる物件はどこも家賃が非常に高くて条件がマッチしませんでした。二つ目は、移住する前にお仕事で亀岡に通う機会があったことです。

もともと亀岡でお仕事をされていたことも移住の決め手ということですが、この点について、もう少し詳しくお聞かせいただけますでしょうか?

小澤さん:前職を辞めるか辞めないかというタイミングで、みずのき美術館(亀岡市)さんとお仕事をさせていただくことをきっかけに定期的に亀岡に足を運ぶことになりました。その際、ただ通うだけでなく、まちに暮らしている方々と交流することもでき、京都市内から近いにも関わらず自然が身近にあり、人と人の距離も良い感じでとても素敵な場所だと感じました。

ただお仕事をするだけでなく、地域の方々との交流の機会もあったんですね。「人と人の距離が良い感じ」という部分について、何かエピソードなどあればお聞かせいただけますでしょうか??

小澤さん:とても些細なことですが、まちに暮らしている人と何か用事があるわけでもないのに気兼ねなくお話できたときに実感しました。ひとつエピソードをお伝えすると、仕事で初めて訪れた地域を歩いていたときに、ある畑に変わった植物が生えているのを見つけてそれをまじまじと観察をしていると、そこの畑のおばあちゃんが「珍しいでしょ」と声をかけてくれました。京都市内に住んでいているときには、まちに暮らしている人と挨拶すらしたことがなく、自宅というのは職場との行き来だけの場所という風に感じていたので、まちに住んでいる人とフラットにしゃべれたという経験がすごく心に残り、人と人の距離感がとても素敵だと感じました。

ありがとうございます。移住を検討するうえで地域で暮らしている方々とのお付き合いが大変なのではないかと心配される方がいらっしゃいますが、その辺りはいかがでしょうか?

小澤さん:移住して一年以上経ちますが、今まで大変だと感じたことはありません。地域のなかでお互いを意識し合っているということは日々感じていますが、決してガツガツ踏み込んでくるわけではありません。私自身もどちらかというと人見知りで、ガツガツこられると構えてしまうので、ちょうど良い距離感だと感じています。

日常の暮らしのなかに自分を元気づける場所があることの安心感

フリーランスのデザイナーとして新たなチャレンジをするうえで亀岡という地域を選んで良かったなとお感じになられていることはありますでしょうか?

小澤さん:まず、自身の拠点となる場所を持つということがブランディングに繋がり、自分のやりたいことや目指していることを明確に言語化する手助けになりました。
また、フリーランスというキャリアチェンジを選択することに最初はとても不安がありましたが、亀岡の中にはさまざまな活動や仕事をされている先人の方がいて、ちょっとした話をしたり、聞いたりできる場所が数多くあることも非常に心強く感じています。日常の暮らしのなかに気軽に立ち寄れる場所、自分を元気づける場所があるということは大きな安心感につながっています。

逆に移住をされてみて不便に感じたことや困ったことなどはありましたか?

小澤さん:最初の方は電車の本数が少ないことに戸惑いました。最寄駅が並河駅になるのですが、本数がだいたい一時間に一本ぐらいで、電車でどこかに出かけるにしても早く着いてしまうか、遅く着いてしまうかで、大変だなと感じていました。ただ、慣れてくるとある意味、余裕をもって行動するということにつながり、問題なくなりました。
余談ですが、京都市内に住んでいる友人などからとても気を遣われます。
亀岡は遠いというイメージを持っている人が多いのか、「京都市内まで出てもらうのが申し訳ない」と言われることが頻繁にありますが、全然遠くないです。(笑)

憧れの人の暮らし方を調べてみるとヒントがみつかるかも

最後に移住を考えている方へのアドバイスをお願いします。

小澤さん:自分の理想の在り方や暮らしというものについて徹底的に考えることが大切だと思います。私自身、前回の引っ越しでは都会が好きだと思い込んで京都市内に住んでみたのですが、結局、合いませんでした。本当は身近にちょっとした自然というものを必要としていたにも関わらず、自身の本当の気持ちに目を向けることができていませんでした。

自身の理想の在り方や暮らしを考えるうえで、何かヒントなどはありますでしょうか?

小澤さん:頭の中で考えるだけでなく、こういう場所に住みたいとか、こういう暮らしをしたいなどを紙に書いて洗い出してみるといいのではないでしょうか。私の場合、洗い出したうえで、理想と重なる写真をたくさんみてイメージを膨らませるようにしていました。
また、私はエッセイなどを読むのが好きなのですが、好きな作家さんや尊敬している作家さんの在りたい姿や暮らし方というのも参考にしているので、皆さんも憧れの人の暮らし方を調べてみるとヒントがみつかるかもしれません。

小澤さんのお話、いかがでしたでしょうか。特に新しいキャリアに挑戦したい、自身で拠点を構えたいと考えている方にとって、大きなヒントになったのではないでしょうか。
夢を叶えたい人、自身の可能性を広げるためのヒントを探したい方はぜひ一度、亀岡に足を運んでみて、小澤さんをはじめとする先人の方々とお話をしてみてはいかがでしょうか。

オフィシャルサイト「studio.A」 https://studiodota.com/
Instagram @dot_a_art
X ( 旧 Twitter) @dot_a_art
3じのアトリエ https://studiodota.com/workshop-atelier.html
小澤さんの活動をもっと知りたい方はこちら
この記事をシェア: