移住者インタビュー

亀岡市で理想の住まいを見つけて叶えた夢
ハーブティーと音楽と、地域とともにある日々

亀岡市で理想の住まいを見つけて叶えた夢ハーブティーと音楽と、地域とともにある日々

今回は、2019年に京都市から亀岡市へ移住された川上優さん・麻有さんご夫妻にお話を伺いました。それぞれの夢を叶える住まいを見つけ、移住から起業に至るまでのエピソードや、暮らしの変化、地域との関わり、これからのチャレンジをご紹介します。

川上優さん・麻有さん

2019年3月、京都市内から自然豊かな亀岡市へ移住。音楽家の夫・優さんは、古い蔵を改装し、ドラム教室を開業。妻・麻有さんは、離れを活かして長年の夢だったハーブティー専門店「かわかみ茶葉店」をオープン。3人の子どもとともに、暮らし、仕事、そして人を迎えるおもてなしまで、この場所で営むすべてが、ご家族の日常となっています。

離れを改修した「かわかみ茶葉店」のハーブティーサロン(写真提供:川上さん)

はじめに、移住を考えはじめたきっかけについてお聞かせください。

麻有さん:ひとつめの理由は、夫がいつか自分のスタジオを持ちたいと考えていたことです。ふたつめの理由は、子育てがはじまることでした。ひとり目を妊娠した頃は、京都市内のマンションに住んでいたんですけど、当時の環境で子育てをしていくイメージがまったく湧かなくて。わたし自身は、最初から田舎暮らしに興味があったわけではなかったのですが、大阪で開催された「おいでや!いなか暮らし移住フェア」に参加して、選択肢が広がりました。

優さん:京都市や長岡京市などの中古物件も探していたんですけど、なかなか理想としていた自宅兼スタジオがつくれる間取りのものが見つからなくて。僕自身は亀岡市内の大学に通っていたので、田舎でもいいかなと思っていたのですが、妻の心境に変化もあったので、エリアを広げて探すことになりました。

川上さんご家族が移住した池尻の風景(写真提供:川上さん)

麻有さん:もとの住まいは生活にはまったく困らない場所でしたが、当時は大阪で会社員をしており、仕事の利便性を優先して選んだ場所だったので、近所の方との関わりなどもありませんでした。お隣が誰かわからない環境で子育てをしていくことに不安があったのかもしれませんね。

移住先の候補となる地域はほかにもあったのでしょうか

麻有さん:思いついてすぐに移住フェアに行って、最初に座ったのがたまたま亀岡市のブースだったんです(笑)。

いつものお散歩コース(写真提供:川上さん)

優さん:エントランスを入ってすぐだったんじゃないかな(笑)。僕たちは、先ほど話した物件のイメージはあったものの、暮らしに対する理想やこだわりをあまり強くもっていなかったので、市の担当の方とお話をして一週間後には空き家を見せていただいたと思います。

麻有さん:ちょうど移住フェアのあとに南丹市の子育て環境を知るツアーがあったので、そこにも参加しました。田舎暮らしを考えると、京都府内も選択肢が多いですが、たまたまご縁があったのが森の京都エリアだったんですね。

移住をして生活環境はどのように変わりましたか

麻有さん:地域との関わりが増え、地域のなかに自分たち家族がいるという考え方になりました。子育て環境として望んでいたことで、マンションに住んでいたときと大きく違うと思います。最初に自治会長さんや近隣の方にもご挨拶に伺って、地域ありきの暮らしがはじまっていくんだなと実感しました。

住みはじめて驚いたことや、これから移住したい方へのアドバイスはありますか

優さん:ご近所の神社では25年に一度大きなお祭りがあり、そのための積み立て費用が自治会費に含まれているんです。今は理由がわかっているのですが、移り住んだばかりの頃は、マンションに住んでいた頃と集められる金額がずいぶん違ったので、とてもびっくりしました。

お庭にテントを張ってキャンプをした時の様子(写真提供:川上さん)

麻有さん:虫のサイズも想像を超えていましたね。初めてムカデを家のなかでみたときは、蛇と見間違えるくらいの大きさでびっくりしました(笑)。今は対策をしていますが、移住して2ヶ月後の出来事だったので先が思いやられました。

優さん:母屋のほかに蔵や離れがあることは、事業をするうえで理想的な物件だったのですが、敷地の広さと同じだけ草も生えます。長く住まれてきた建物なので瓦などもメンテナンスが必要になりますし、そのための金銭的な備えや草刈りなども生活の一部として考えるようになりました。

麻有さん:アドバイスとしては、移住前に世代の近い方々や先輩移住者と出会っておくと良いと思います。わたし自身、移住と出産が重なって、近所に同世代がいるかわからない状態がつづき、少し気持ちが落ち込んでしまうことがありました。日中はみなさん働きに出ているので、子どもと一緒に散歩をしてもなかなか出会えなくて。その後、地域のマルシェなどで農業やお店をはじめた同世代とも知り合うことができました。

お二人の起業についてのお話もお聞かせください。

麻有さん:移住の翌年に、蔵を改修した夫のスタジオが完成し「蔵のドラム教室」をはじめ、わたしも「かわかみ茶葉店」のECサイトをオープンしました。移住して間もない時期でしたが、新型コロナウイルスが流行し、働き方にも揺れ動きがあったタイミングでしたね。その後、2023年12月に離れを改修して事前予約制のハーブティーサロンをスタートしました。

蔵を改修した優さんのスタジオ(写真提供:川上さん)

優さん:市の担当の方にも起業の相談をしていたので、移住とあわせて活用できる補助金などのアドバイスをいただいていました。夫婦間でもどんな暮らしをしていきたいかはよく話していましたし、妻がエクセルにライフプランを書き出したシートをつくってくれて、書き込んだり見直したりしています。

お店では「Cycle」というイベントを企画されていると伺いましたが、どのようにアイデアが生まれたのでしょうか

優さん:縁のあったこの家はもともと醤油屋さんで、近所の方が「昔は子どもたちの遊び場だった」と教えてくれたんですね。

麻有さん:醤油を寝かす蔵には卓球台があったそうで、近所の子どもたちが集まっていたそうです。近所のおばあちゃんから当時のエピソードを伺っていくうちに、この場所にもう一度人が集まれる機会をつくれたらと思うようになり、2024年から『ハーブティーと音楽と、小さなマーケット。「Cycle」』というイベントを年に一度開催しています。今年はご近所の方もたくさん来てくれて、昔の思い出話を聞かせてくれました。

2025年3月に開催した「Cycle」でのライブパフォーマンスの様子(写真提供:川上さん)

優さん:そうした光景を見ていると、僕たちもこの地域に馴染んでこれたのかなと安心感がありますね。

これからお二人がやってみたいことはありますか

麻有さん:わたしたちも6年間の生活を通してわかることや気づいた地域の魅力があるので、これから情報発信のための季刊誌を発行したいと思っています。夫婦それぞれドラム教室やハーブティーサロンをはじめ、イベントを企画していくうちに、もっと地域に人が来てほしいと思うようになりました。近隣にも移住後に起業して頑張っている方々がいるので、季節ごとの魅力とあわせて紹介していきたいと思っています。

(写真提供:川上さん)
かわかみ茶葉店 HP https://www.kawakamichabaten.com/
かわかみ茶葉店 Instagram @kawakamichabaten_kyoto
蔵のドラム教室 HP https://kura-no-drum.com/
蔵のドラム教室 Instagram @kuranodrum
川上さんご夫妻の活動をもっと知りたい方はこちら

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