都会の喧騒から離れて、凛とした森の中で過す時間、静寂な夜に包まれて行う座禅。
春の桜、秋の紅葉。お寺の境内を彩る美しい自然に触れながら、
自分自身と向き合う「焚き火と座禅」は、
心洗われる“癒し” の大切な時間となることでしょう。
開創1230 年、朝日山の麓にある朝日山神蔵寺(あさひやまじんぞうじ)は、伝教大師最澄が開いた歴史のあるお寺です。ご本尊のお薬師様は、「佐伯の薬師さん」と地元の人々に親しまれてきました。「山野草の寺」でも知られ、春の桜、秋の紅葉の季節には、境内が色鮮やかな色彩に包まれます。
「SUN 神蔵寺」は、美しい境内の中にある“春秋の土日祝日限定” のキャンプ場です。「お寺はもともと、皆さんが遊びに来たり、お寺で催しをしたり、“人々が集う場” だったのですが、近年は少しずつ寂しくなってきていると感じていました。キャンプなら、落ち着いた雰囲気と美しい境内を楽しんでもらえる、と思いました。」とご住職。
SUN 神蔵寺でのキャンプは、一般的なキャンプ場では体験できない、静寂なひとときを過ごすことができます。
豊かな自然の中に囲まれた境内。森の香り、風の音、鳥のさえずりを感じながら、ゆったりと過ごす森林浴の心地よさ。炎のゆらめき、暖かさ、薪のパチパチとはじける音を感じる、焚き火の醍醐味。
「お寺ですので、特別な設備はありません。家族や友人と会話をしたり、お茶や読書を楽しんだり、ただボーっとしているだけの方もおられます(笑)。『ありのままを楽しみたい』という方が多いですね」と語るご住職。
夜、静かな本堂で行われる座禅体験。座禅をするときに行う腹式呼吸には、“精神を安定させる効果” があるといわれています。お寺で一夜を過ごす非日常の体験を目当てに、キャンプ場を訪れるリピーターも。
「座禅の『無』は、いま起きていることをそのまま感じて、心を整えること。ただ火を燃やすことだけに専念したら、焚き火は座禅の心情と似ていると思います」と、ご住職はお寺キャンプの魅力を教えてくれました。
禅寺である神蔵寺は、「一日一度は静かに座って、身体と呼吸を整える」「人間の尊さにめざめ、自分の生活も他人の生活も大切にする」「生かされている自分を感謝し、恩に報いる」という、生活信条のもと、それぞれの時間を過ごす場所です。SUN 神蔵寺の「SUN」は「参・賛・山・産・・」。人が出会い、参加し、賛同し、交わるコトで新しいものやコトを産み出す、という思いが込められています。
宿泊だけでなく、日帰りでも、このキャンプ場に参加いただくことで、静寂な中、自分の時間を楽しむことで何か産み出してみませんか?
「利用者さん同士が仲良くなったり、私をはじめ、寺の者やキャンプ場スタッフと会話をしたり、新しい交流の輪が生まれたらと思います。」とご住職。お寺が醸し出す、静寂なもの、心が洗われていくような、ゆったりとした空間で過ごす時間。「良い意味で、何もないものが、逆に価値あるものに感じられる」と、この場所の魅力を語る方も多いそうです。
夜の9時、本堂にて「夜座(やざ)」と呼ばれる座禅体験が行われます。座禅といえば「じっと座って、動いたら棒で叩かれる」という厳しい修行のイメージがありますが、ここでは “開放” を重視した座禅が行われています。「最初に座禅の仕方を指導します。その後は、好きな場所に座って、電気を消し、座禅をしてもらいます。すっと心を落ち着かせていると、川のせせらぎも聞こえてきます」とご住職。