地元に貢献する、二足のわらじ。
今回、森の京都ロゴを立体的な作品として仕上げていただいた「ひよことパンダの木工店」の川崎さんは、今回のような木工玩具をはじめとしたウッドクラフトの仕事と、パソコンの修理やレクチャーを行う仕事をこなすという、二足のわらじを見事に実践されている方だ。
この、アナログとデジタルという対極にある仕事について、非常に楽しげに話をしてくれる川崎さんだが、もともとこういった仕事を目標としていたわけではなかった。
これは、現在スポンサーの株式会社ユタカから、長野県木祖村で行われた糸鋸おもちゃコンテスト最高賞の黄金電動糸鋸。
学生時代、建築設計の仕事がしたくて学校を卒業後、就職した工務店では、設計だけでなく大工仕事や建築にかかわることは何でもやらなければならない環境だった。
ちょうどバブルが弾け、業界的にも非常に冷え込んだ時期であったため、給料は安いが仕事はキツイという時期だったそうだ。
そして、ちょうどパソコンが仕事に使われ始めた時代でもあり、設計をする道具がドラフターからCADソフトを使うようになっていた。ただ、当時のパソコンは、故障すると修理も大変で仕事も停滞する。結果、使う自分が自力で治せないか?を突き詰めていくことに。
とは言え、誰かが治し方を教えてくれる訳でもなく、パソコンのパーツショップに通うなどしながらほぼ独学でこなすうちに、いつの間にか、人から頼まれるほどのスキルを身に着けてしまっていた。それが口コミで広がり、結果、会社を辞め、仕事として取り組むようになった。さらに、パソコンの修理に伺ったお宅で、工務店勤務の経験から「じゃあ、床の張替えとか頼める?」という流れで仕事につながっているという。
ただ、そんな中でもすきま時間があり、趣味として木工工作として、長野県で毎年開催される「糸鋸おもちゃコンテスト」に出品するようになった。送られてくる間伐材と糸鋸を使うという内容で、何度かチャレンジするうちに最優秀賞や、大賞の日本一を取るまでに。
結果、この糸鋸を使った商品づくりも加わり、今のようなスタイルで仕事をするようになったそうだ。なんとも器用な方だなと思うと同時に、何事も嫌がらず前向きに、楽しみながら取り組んで来られた成果なのだと感じた。
そして現在では、川崎さんの地元でもある亀岡市畑野町が抱える外部不経済の問題として、山に木があるのに間伐などもされず荒れてしまい、使うことすらできない状態を少しでも改善させる活動や、「京都丹波クラフト友の会」に参加し、木工クラフト体験や実演などの活動も積極的に取り組まれている。
今回製作いただいた森の京都・木づくりロゴは、そんな川崎さんの技術や想いがしっかりと活かされた作品ではないだろうか。
三角のフレームの中に3種類の地元材(ヒノキ、クリ、ホウ)を、シャドーボックスのようにレイヤー状に重ねることで、奥行きのある非常に完成度の高い作品に仕上がっている。また、素材はすべてニス処理や着色をしていないので、非常に優しい手触りで、木材本来の自然な香りを楽しむことができる。
ひよことパンダの 木工店
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