うま味引き立つ
"食べる"発酵
胡麻の豊かな自然と気候が育む
こだわりの自家製“発酵種”
地元を愛し、人に寄り添う、パン屋さん。
南丹市
ゾンネウントグリュック
作野商店
(Sonne Und Glück)
京都丹波高原国定公園の南部に位置し、豊かな自然を残す日吉町胡麻。夏の朝夕の寒暖差や、秋から冬にかけて発生する「丹波霧」の変化に富んだ気候は、お米や黒豆などの農作物をはじめ、“発酵食品”に欠かせない微生物や菌の生育にも好影響を与えています。
漬物や味噌、醤油、酒だけでなく、“発酵食品”であるパンにとっても、胡麻は“おいしいパンづくり”に適した土地です。
●豊かな自然に囲まれた胡麻の暮らし
ぐるりと山々に囲まれた典型的な山里。胡麻地区は、日本海に流れる由良川水系の源流「畑郷川」と、太平洋へと流れる桂川水系の源流「胡麻川」の起点となる分水界にあります。丹波高原に降り注ぐ雨や雪、高原盆地地特有の朝露や夜霧に濡れた木立の葉先から滴る一粒が、流域の田畑や街を潤しています。源流に近い胡麻のおいしい水は、安定した水質で日々の暮らしに欠かせません。
近年では、長閑な山里の自然と、胡麻のオープンで親切な気風に魅力を感じて、移住者が増えています。JR胡麻駅からの散策圏内では、個性豊かなカフェやお店が点在し、田園の風景に彩りを添えています。
●胡麻の地に魅力を感じた、移住者が営むパン屋さん
「ゾンネウントグリュック作野商店(Sonne Und Glück)」は、南丹市日吉町胡麻に移住してきたオーナーの作野さんが2007年に開業したパン屋さん。(以下ゾンネと略称)。
「お漬物やお酒、パンといった発酵食品の風味は、その土地に生息する酵母や有用菌が大きく関わっています。胡麻の地にお店を開いたのは、発酵に関わる気候や水といったパン作りに理想的な要素が揃っていたことでした」と作野さん。
種起こしから今に引き継がれている“天然自家製の発酵種”を使ったパン作りがお店の魅力。焼かれるパンの種類も「子どもからご年配の方まで、店を訪れる皆さんに喜んでもらいたい」という思いから、午前・午後と曜日によって変わるバラエティー豊かなパンが並びます。
●自家製発酵種を使った、滋味豊かなパン
ゾンネのこだわりは、地域の風土や気候、素材を活かした「胡麻の郷のパン」です。ゾンネでは、パンの個性によって“自家製発酵種”を使い分けています。「発酵種は、地元の素材を使い、この地域に生息する微生物や菌のチカラを借りて作っています」と作野さん。今回は、数あるパン種から「菓子パン」「食パン」「ドイツパン」について紹介します。
菓子パンは、ご年配の方や子どもたちに人気のパン。ゾンネのショーケースには、さまざまな菓子パンが彩りを添え、季節折々の自家製餡の「あんパン」、なかでも自家菜園の大納言を炊きあげた小倉餡の「あんバター」が人気です。
レギュラーの食パンは、日吉町胡麻で育ったお米と南丹市八木町の老舗麹屋の麹を醸した天然の“自家製発酵種”で作っています。ほのかに香る芳醇な風味とお米由来の甘みを感じる、日吉町胡麻の滋味深い味わいです。
ドイツパンに使用する酵母は、作野さんが移住して以来、丹波の森に浮遊している自然酵母と乳酸菌株で作り育てた自慢の“発酵種”。ゾンネでは、レギュラーのドイツパンだけでなく、毎週金曜日に週替わりで1種類の個性豊かなドイツパンを提供しています。
購入したパンは、店内のカフェや田園を望むオープンテラスで、ドリンクやホームメイドスープ(晩秋〜早春)と一緒に楽しむことができます。
●喜んでもらいたい、という思いを込めて
パン工房では、仕込みから焼き上げまで、作野さんが一人で行います。さまざまなパンたちが次々と焼き上がる工房内は、まるで戦場のような忙しさ。季節や日々の気温や湿度で変わる、最適な“発酵”のタイミング、焼き上がりの時間、パン職人の技の見せ所です。
●胡麻を、ゆったりと散策してみませんか
「私のような移住者が多いのはどうして?と、疑問を持って街を散策してみてください」と作野さん。
道端に咲く小さな花や野草を愛でながら、小鳥たちのさえずりや秋の虫たちの鳴き声に耳を澄ましながら、時には子狸やキツネ、小さなイタチが横切ることも。穏やかに流れる時間の中で、ほがらかに和やかに過ごす、胡麻の魅力に気づくことでしょう。
店舗情報
各施設の詳細は施設ホームページでご確認ください。
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住 所
京都府南丹市日吉町胡麻中野辺谷2
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電 話
0771-74-0194
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営業時間
9:00~17:00(カフェ L.O.〜16:00まで) 敷地内禁煙
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定休日
水・木曜日(年末年始及び冬期・夏期その他不定休あり)
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