●和知地域のお正月の
おもてなし料理

和知の｢鯖のなれ寿司｣は､魚介類が手に入りにくかった山村の｢お正月のおもてなし料理｣として､各家庭で作られていました｡現在は､なれ寿司を作る家庭は少なくなりましたが､地元の伝統食の保存に取り組む人たちによって受け継がれ､道の駅などで購入することができます｡

｢なれ寿司の作り方は､明治生まれの母から作り方を習いました｡とても手間がかかるのですが､主人の好物ということもあって､毎年作っていました｣と山口育代さん｡現在､山口さんが作った｢鯖のなれ寿司｣は､｢道の駅 和｣で購入（1月頃の季節限定）することができます｡

●鯖のなれ寿司

｢鯖なれ寿司｣は､塩漬けした小さめの鯖にご飯を入れ､抗菌効果のある笹の葉で巻いたあと､樽に詰めて10日〜1ヶ月ほど発酵させたものです｡各家庭にさまざまな工夫がありますが､今回は山口さんの作り方をご紹介します｡

• ❶ なれ寿司用の小ぶりの塩鯖を魚屋さんから仕入れ｡
• ❷ 頭を残して腹開きにして､背骨を抜く｡
  小骨は残したままですが､発酵の過程で柔らかくなります｡
• ❸ 炊いたご飯が一肌に冷めたら､米麹を混ぜます｡
• ❹ 鯖の腹にご飯をのせて､笹の葉で包みます｡
• ❺ 樽に詰めて､重石をのせ､1ヶ月ほど発酵させます｡